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症状別コラム 腰痛/背部痛

寝具による体の影響

2022年4月3日

寝具選びのポイント

腰痛の原因の一つに、寝具の不適合があります。特に朝起きた時に腰の違和感や痛みがある場合は、睡眠環境の問題が疑われます。マットレスや敷き布団が自分の体に合わないと、腰に余計な負荷がかかるからです。寝具の種類は多く、マットレスではスプリング、高反発、低反発などがあります。他にも高反発よりも反発力は高いと言われている高弾性や水洗いができるファイバー、そして天然素材のラテックスなどがありますが、この記事では「低反発は腰痛になりやすい。」という内容を書きたかったので割愛します。

高反発マットレス

高反発マットレスのメリットは高い反発力があることです。これにより、寝返りがスムーズにでき、体圧分散も優れているため、体に負担が起こりにくくなります。デメリットはウレタン素材のため、スプリングマットレスに比べて通気性は低下します。しかし、低反発マットレスほどではないといわれています。

高反発マットレスは低反発マットレスに比べ高額ですが、安価で購入できるものもあります。それにはちゃんとした理由があります。ウレタンタイプのマットレスには硬さと密度があります。硬さももちろん大事ですが、密度が少ないとすぐにへたる原因になり反発力が低下します。すると体に負担が掛かり、例え高反発でも腰痛リスクが高まります。密度の目安は30D以上が理想で、それよりも数字が低いほどリーズナブルですが寿命が短くなります。

因みに私が実際に使っているのは高反発マットレスで、三つ折りタイプで凹凸があります。三つ折りタイプのため、重心が掛かりやすい腰の部分を5年毎にローテーションできるので15年間すようするつもりです。既に10以上使用していますが快適です。凹凸タイプのメリットは体とマットレスに隙間が出来る為、毛細血管の圧迫が緩和されるため、体の負担が軽減されやすくなります。特に寝返りをほとんどしない方にはおすすめです。また、すのこタイプのベッドを使用しているため、通気性が悪いと感じたことはありません。

低反発マットレス

低反発マットレスのメリットは柔らかさと保温性です。デメリットは重心が掛かったところだけが沈み込むため、体に負担が掛かりやすくなります。体にはフィットするので温かいのですが、通気性が悪くなります。

重心を掛けると沈み込むため、包みこまれるような感覚がメリットに感じるかもしれません。しかし、ハンモックをイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、腰に負担が強く、寝返りもしにくくなるので腰痛の原因になりやすくなります。他の寝具に比べて寿命が短いのもデメリットです。

低反発は体圧分散されるから腰の負担が少ないと主張されるメーカーもあり、低反発マットレスとしては少し高額の3万円程度で販売されている有名な商品があります。しかし、実際に当院をご来院されている方もこの商品を使ってから腰痛になった方や悪化された方が何人もいらっしゃいます。

それでも低反発マットレスの寝心地が好きな方や、起床時も快適なら利用しても問題ないと思います。調査によると、体重が45kg以下(40kgという専門家もいます)の人は低反発でも問題ありません。

スプリングマットレス

スプリングベッドのメリットはスプリングが入っているため通気性に優れています。デメリットは他の寝具に比べ重たく、移動するのが大変です。また、処分する際には通常のゴミ置き場に出すことは不可能なので手間がかかります。

料金はピンキリで、種類もボンネルコイルマットレス、ポケットコイルマットレス、高密度連続スプリングマットレスなどがあります。個人的には高反発マットレス一択なので簡単に調べた程度ですが、スプリングタイプなら高密度連続スプリングマットレスだと安心です。

和布団

和布団のメリットは畳んで押し入れに仕舞えるので、日中は広々とした空間が確保できます。それと定期的にベランダに干すことで衛生的ですね。ポリエステルのような化学繊維の場合は短期間でヘタって体に負担が掛かりやすいですが、天然素材の木綿わたは保湿性に優れています。

わたなので長年使っていくうちにヘタってきます。煎餅布団ともいわれているように、煎餅のようにペラペラになると体の負担が掛かりやすくなってきます。

起床時の腰痛は寝具以外の問題もあります

寝返りの回数が少ない

一般的に睡眠中は一晩で10回~30回ほど寝返りをするといわれおり、非常に重要な3つの役割があります。

1つ目は血液やリンパ液などの体液です。寝返りをすることで体液循環を活発にさせる必要があります。

2つ目は体温調整です。布団と体が密着している時間が長いと接触部分に体温が高くなりますので、寝返りをすることで熱を放散させる役割があります。

3つ目は姿勢のリセットです。起きているときは疲れを感じると体勢を変えます。例えば長時間同じ姿勢で座っていると、座り直したり腰を伸ばしたりしますよね。立っている時は重心を変えたりします。睡眠中も他の体勢に比べると負担は少ないですが、それでも寝返りをしてリセットさせることが大切です。

寝返りは意識してすることはできず、人によってほとんど寝返りをしない場合もあります。そうすると床ずれ状態になり、体に負担がかかります。

体質的に寝返りが少ない方は反発力が高いのに加え、凹凸タイプがおすすめです。

自律神経の乱れ

不安やストレスを感じた状態で睡眠を行うと自律神経が乱れ、寝返りをしないというデータもあります。しかしストレスで落ち着いた寝姿勢が定まらない場合もあり、「起床時の腰痛」という意味でははっきりとしたことはいえませんが、ストレスは睡眠環境に影響するのは間違いありません。ご自身に合ったマットレスにすることで気分が落ち着くと自律神経にも良い影響を与え、安眠効果の期待もあります。

壁際に寝てる

壁際で寝る場合は、壁に背中を向けて寝る傾向があると言われています。するといつも同じ体勢で寝ることが多くなりますので、特定な場所に負担が掛かりやすくなります、もちろん、個人差はありますが当てはまる方は睡眠場所の見直しもご検討ください。

反り腰

仰向けで寝た時に布団などの接着面と腰に隙間があれば反り腰の可能性があります。後天性の反り腰の場合は整体やストレッチで反り腰が緩和されることもありますが、先天性の場合はセミファーラー位という介護向けベッドが効果的といわれています。

疾患による痛み

起床時の腰の痛みは、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の他に内臓疾患でも起こります。

特に内臓疾患の症状は整体院で解決するのは難しいので、医療機関での受診をおすすめします。

 
 
※同業者及び医療関係者の方へ
本記事は同業者の方を批判するの事を目的としておらず、今まで学んできた情報と個人的見解を元に作成しております。
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