最近は大分減りましたが、ボキボキ鳴らす整体院やカイロプラクティックが流行っていた時期がありました。主にディバーシファイド・テクニックという矯正法です。
私もこの矯正法を行っていた時期がありましたが、現在は「ボキボキしない10種類の骨盤矯正」を採用しているためほとんどやってません。
必死に勉強して習得したのですが、この技術を捨てたのには理由があります。
ボキボキ矯正の目的は?
当院が行っている矯正と同じように、骨盤や背骨(腰椎、胸椎、頸椎)など、様々な歪みを矯正が行えるので目的は同じです。
例えば、頸椎の矯正は仰向けで頭を持って、勢いよく首を捻って(スラスト)ボキッとやる光景をテレビとかで観たことがあるのではないでしょうか。私もよくやってた時期があります。
様々な学びや経験を積み重ね、個人的の考えとしてはボキボキやるメリットは殆どありません。メリットがあるとしたら、自身で指を鳴らすようにその瞬間だけスッキリした感じにはなります。
お客様から問い合わせで「ボキボキってやりますか?」という質問がたまにあります。基本的にそのような質問をされる方は、男性の場合はボキボキを望んでいる方で、女性も場合はその逆です。
男性の場合は比較的若い方が多く、単純に好奇心からくる要望がほとんどです。「ボキボキはしませんが同じ効果がある矯正はできますよ。」と説明しても予約することなく電話を切られます。
女性の場合はボキボキが怖いイメージの方が多く、ボキボキやらないと説明したら安心してご予約されます。
ボキボキ矯正は痛い?
ボキボキ矯正に限らず、正しい矯正法を行えば痛くありません。仮に強い痛みを伴う矯正法は、間違えたやり方や力任せによる施術と考えられます。ただし、あくまでも骨格の矯正であり、筋肉をほぐす施術の場合は異なります。筋肉の張りが強い場合は軽く押しただけでも痛い場合があります。その際には力加減を調整して不快な痛みが起こらないようにほぐしていきます。
ボキボキは矯正された音ではない
ボキボキやられると矯正されたような気がしますが、矯正された音ではありません。
簡単に説明すと、関節(骨と骨の隙間)には関節液というのがあり、その中に気泡が混ざっています。関節に刺激を加えると気泡が破壊され、その音がボキボキの正体です。仕組みとしては炭酸と同じです。
例えばご自身で指をボキボキ鳴らしたり、しゃがむと膝がボキボキ(実際にはパキって感じですが)と音がしたことがあると思います。そして一度鳴ったら気泡がなくなるので、繰り返し鳴らすためには新たな気泡ができるまで待つ必要があります。整体師が行うボキボキ音も同じ原理です。自分でボキボキやってもすっきりした感じになりますが、これは気泡が弾けたことによる気分的な要素だと考えられます。
引用:くれないきりんのあしあと
ここまで説明してボキボキ音は矯正された音ではないとご理解いただけたと思います。
ですので、ボキボキの音が鳴ったからといって矯正されたわけはなく、逆に音がしなくても正しく行えば矯正されます。
矯正よりもボキボキ鳴らすのが目的になっている?
意外と多いです。ボキボキ鳴らしたい整体師やカイロプラクター。
例えば、首や骨盤の矯正をするときに音が鳴らない時もあります。正しいやり方を行っていれば成功です。ただ、音が鳴らなかったこという理由で2回目、3回目と音が鳴るまで繰り返す施術者が数多くいます。しかも歪みの状態を再確認することなく…。
つまり、気泡が破壊されるまで繰り返しやるということになりますので、意味がないどころか非常に危険な行為です。
このような行為は経験値が低い施術者が多く、音を鳴らすのをステータスと思っているか、施術者自身も音がしないと矯正されていないと勘違いしているのだと思います。
ボキボキ矯正は事故が多い?
カイロプラクティックの本場であるアメリカで勤務していたドクター(アメリカではカイロプラクティックは医師免許)の話によると、アメリカでは1000回の矯正のうち1回は事故が起きているという話を聞きました。中には麻痺が残ったり、命も落としたことがあるそうです。民間療法の日本だと更に事故が多いのではと想像できます。
もちろん、整体師やカイロプラクターが正しい矯正を行えば安全で有効なテクニックですので、ボキボキ矯正をやる所を探される場合は慎重に選ばれることをおすすめします。