セロトニンとは
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、ドーパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(恐れ、驚き)の3大神経伝達物質の一つです。
この3大神経伝達物質が脳内で精神現象をコントロールしています。
セロトニンは精神を安定させる作用があり、不足するとさまざまな影響が現れます。
セロトニンが不足すると
判断力・思考力・集中力
セロトニンが不足すると判断力や思考力が低下します。
また、感情にブレーキがかかりにくくなるため、怒りやすくなったり集中力が低下します。
自律神経の調整
セロトニンが不足すると自律神経にも影響があり、自律神経失調症やうつ病にも影響があるといわれています。
姿勢
セロトニンが不足すると姿勢にも影響があります。確かに、ストレスなど精神的に疲れていると背中が丸まったイメージがありますね。
『脳からストレスを消す技術』など50冊以上を著書されたセロトニンの第一人者でもある医師で脳生理学者の有田秀穂先生は以下のように述べています。
起床すると目がパッチリして背筋が伸びるのもセロトニンのおかげ。不足すると、背中が丸まったり、どんよりした表情になってしまいます。
参考:"幸せホルモン"セロトニンで心も身体もスッキリ目覚める! | My Wellness (starbucks-kenpo.or.jp)
つまり起床時の姿勢や気分でセロトニンが不足しているかわかるようです。
肩こり・腰痛など
セロトニンは肩こりや腰痛にも影響があり、痛みにも敏感になるのがわかっています。楽しい時間を過ごしているときは肩こりや腰痛があまり感じないという方はセロトニンが影響しているかもしれません。有田秀穂先生が仰るように、セロトニンが不足すると背中が丸まるのでしたら肩こりや腰痛の原因にもなります。
セロトニンとうつ病の関係
セロトニンが不足するとうつ病になりやすいとよくいわれています。そこで私が興味を持ったのは、「うつ病になったすべての人はセロトニンが不足しているのか?」という疑問です。
あくまでも独自で調べた結果ですが、セトロニンを測定するのは可能ですが、血液検査のように簡単に調べることが出来ません。確かに、心療内科でもセロトニンを検査するというのは聞いたことがありません。
ただ、抗うつ剤はセロトニンを促進させる成分が入っており、担当医の指示通りに薬を飲み続けた結果、ある程度の改善があった方は50%、うつ病が完治したのは30%というデータがあります。
データ通りの結果なら、うつ病の半数の方はセロトニンを促進させても改善しなかったことになります。残念ながらセロトニンが増えれば全て解決とはならないようです。
セロトニンを増やす方法
日光浴
日光を浴びることでセロトニンが分泌されます。
理想は30分程度ですが、炎天下や紫外線が多い日は15分でも大丈夫です。曇りや雨の場合は少し長めに外の空気に触れることが大切です。また、網膜に光を浴びることでセロトニンが分泌されるので、サングラスの使用はおすすめしません。
室内の場合は、窓を閉めた状態でも効果がありますが、網戸越しでもかまわないので窓を開けたほうが効果的です
運動
ウォーキングやヨガ・ストレッチといった軽い運動はセロトニンが活性化されます。
入浴
温めの温度でリラックスして湯船に浸かるとセトロニンが活性化されて自律神経のバランスも整いやすくなります。
会話
人と会話をしたら気分が楽になったという経験はどなたにもあると思います。また、会話をすることで慢性的の肩こりや腰痛も軽減される場合もあります。会話をすることでセロトニンが分泌するためです。
しかし、相手選びは非常に重要で、相手を間違ったら逆にストレスになるので注意が必要です。
食品
セロトニンに有効な食材は「トリプトファン」「ビタミンB6」「炭水化物(ブドウ糖)」の3種類をバランスよく摂取する事が大切といわれています。セロトニンが含む食材にはバナナ、チーズなどの乳製品、納豆などの大豆製品等がございますが特にバナナはセロトニンを合成する材料となる栄養素がすべて揃っている食材だといわれています。メジャーリーグでは試合中にひまわりの種を食べている選手も多いようです。日本でも食用として販売しており、私も食べたことがありますがおいしくいただけます。
整体を受けるとセロトニンにも有効?
施術をすることでセロトニンの分泌を促す効果があるといわれています。
マッサージなどでも同じ効果が期待されますが、当院の施術は自律神経の乱れを改善させる施術も行っているのでより良い結果が期待できます。
当院が施術したお客様からうつ病やセロトニン症候群の症状も改善されていると報告を受けています。
セロトニン?自律神経?
セロトニンの事を学んでいくと、自律神経の乱れの原因や対処法が似ています。
そこで気になったのが「自律神経が乱れるからセロトニンが不足するのか?」それとも「セロトニンが不足するから自律神経が乱れるのか?」といったセロトニンと自律神経の関係性がイマイチはっきりしません。
その上で自分なりに解釈したのが、「自律神経のバランスを調整しているのがセロトニンで、そのセロトニンが不足すると自律神経が乱れる。」と仮説しました。
ですので自律神経の対処法としてよくいわれている「睡眠」「散歩」「温めの入浴」「ヨガ」というのはセロトニンが分泌されることによって自律神経に良い影響を与えるのではと考えております。
当院には脳外科の医師もご来院頂いているので、失礼を承知で施術中に質問してみました。
結果的には自律神経は難しいからわからないということでした。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンなので、専門分野である脳外科でさえ難しい問題と捉えています。
うつ病の全てがセロトニン不足が原因でないように、自律神経の乱れの原因が全てセロトニンではないと思います。
また、セロトニンの不足が必ず不調を招くわけでもないと思います。
あえて「思います」と書いた理由は、血液検査のように数値として確認することが難しいからです。
実際にこの記事をお客様である脳外科医にも読んで頂きましたが、基本的に同じ考え方のようで、要約すると「様々あるバランスの中のひとつの要素にセロトニンもあるくらいの意味合い」と捉えているようです。
自律神経とセロトニンの関係性は複雑で、医学的にもわかっていないことが多すぎます。それでも心身の不調になる大きな原因と捉えているので、永遠の課題として今後も学んでいきます。