肩の症状の代表格「四十肩・五十肩」
「四十肩・五十肩」は正確には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、四十肩も五十肩も同じです。一般的に発症時が40代なら四十肩となり、50代なら五十肩と呼びます。
40~50代の中年以降に多く発症する疾患ですが、20代でも発症します。
通常、1年前後で治癒されますが、その後も肩関節の可動域が狭くなってしまい何年も痛みが残る場合が非常に多いです。
肩関節周囲炎とは言葉通りに考えると、「肩関節の周囲が炎症している」となります。炎症ということはギックリ腰や捻挫と同じように安静にして冷やすのが一般的ですが、肩関節周囲炎の場合は炎症が起きたとしても急性期のみがほとんどです。根治するまで冷やしたり安静にしていると逆効果になりますので、特徴をしっかり理解して適切な処置を施すことが必要になります。
四十肩・五十肩の原因
四十肩・五十肩の発生原因ですが未だはっきりと解明されていません。
ただ、40代~50代の方が多く発症していることから加齢や今まで蓄積された運動不足により肩周辺の筋肉や靭帯に負担が掛かっていたと考えられます。その他にも生活習慣やストレスといった間接的な要因が発症のきっかけになるとも言われています。
四十肩・五十肩の予防法
【その1】同じ姿勢を長時間続けない
同じ姿勢を続けてしまうことで、筋肉が硬くなってしまいます。これが炎症を引き起こす原因になる可能性があります。適度に休憩を入れるようにしましょう。
【その2】食事と睡眠
ストレスも間接的ですが、発症の原因になりえます。栄養バランスのとれた食事と質の高い睡眠を心掛けましょう。
【その3】身体を冷やさない
身体を冷やしてしまうことで、血液の循環が悪くなってしまいます。なるべく身体を冷やさないように注意して下さい。
【その4】適度な運動やストレッチ
筋肉は使わないと硬くなってしまいます。適度な運動やストレッチを行うことで、筋肉が柔らかくなったり血行が良くなります。
肩関節は年齢とともに可動域が狭くなってしまいます。普段から適度な運動やストレッチを行っていただき、今一度、生活習慣を見直してみて下さい。
四十肩・五十肩の対処法
四十肩・五十肩には発症してから「急性期」「慢性期」「回復期」3つの病期があります。それぞれのタイミングでどのように対処していくか説明します。
急性期
腕を動かした時に突然肩に激痛が走る状態。この時期の急激な痛みは2週間程度になります。患部が炎症していると思われるので、冷やして安静にすることが大切です。
慢性期
急性期の痛みが治まり鈍い痛みに変わっていきます。慢性期は半年ほど続くのが一般的です。慢性時は炎症が治まっていると思われますが肩の可動域は狭くなっているはずです。痛みを感じない程度のストレッチや温めのお湯に浸かって温めたり身体を冷やさない工夫をしましょう。
回復期
痛みがほとんど無い状態になります。慢性期よりも積極的に動かしていきましょう。
まとめ
四十肩・五十肩は、40~50代の中年以降に多く発症する疾患ですが、年齢に関係なく現れる症状で、20代、30代で起こることも珍しいことではありません。
四十肩・五十肩の発生原因は、未だはっきりと解明されていませんが、加齢により肩関節や筋肉が固くなったり縮むなどの変化が起こることで炎症や痛みを引き起こすと考えられています。また、その他にも生活習慣やストレスといった間接的な要因が発症のきっかけになるとも言われています。
四十肩・五十肩を予防するには、「同じ姿勢を長時間続けない」「栄養バランスのとれた食事と質の高い睡眠」「身体を冷やさない」「適度な運動やストレッチ」を心掛けることが重要です。
もし、四十肩・五十肩が発症してしまったら、「急性期」「慢性期」「回復期」の3つの病期に応じて正しい対処をして下さい。
四十肩・五十肩は、生活や仕事に支障が出る場合があります。まずはご自身の生活習慣を見直して頂き、予防をしっかりと行っていきましょう。